「如意の渡しの兄弟」

JR氷見線・伏木(ふしき)駅近くから、路面電車の万葉線・中伏木(なかふしき)駅近くを結ぶ渡し船が、「如意の渡し」である。その昔、源義経一 行が小矢部川にさしかかった時、この渡し船に乗ろうとして船頭に怪しまれ、弁慶が義経を扇子で打って、切り抜けた、という伝説も伝わっている。
法難により、承元元年(1207)親鸞聖人が越後への道中、この渡し船に乗船中のこと。船頭の源平・源助兄弟は、親鸞聖人の体から水中へ光が輝いているように感じた。不思議に思って、2人は自宅に親鸞聖人を招き、教化をあおいだ。
親鸞聖人は懇ろに「他力の三心とは、至心・信楽・欲生にして、すなわち三心とはいえども、行者帰命の一心である」ことを説き、源平・源助は感激して、「帰命尽十方無碍光如来」の名号を下附していただいた。
さらに源平は「勝光坊」と法名を受け、新湊(射水市)の勝光寺を開いたと伝えられる。

(高瀬重雄監修・北日本放送発行『伝説とやま』より)
富山県高岡市